木材を公共物件に利用する際のポイントをまとめました。
以下のポイントをチェックしながら適切な検討と発注方法を行うことで、有効な木材活用が可能です。
1.計画について
地域材を使った中大規模建築物となる場合は、一般に流通している木材だけでは賄えないことが多いため、 計画段階から木材の調達についても検討しておくことが重要です。 そのため、木材調達の関係者を含めた検討チームを作り、 関係者(発注者、木材関係者、設計者)をそろえて、情報を共有しながら進めていくことが望ましいです。
計画時のチェックリスト
- 関係者からなるチーム体制が整えられているか。
- 木材調達に関わる者も検討チームに入っているか
2.設計について
RCと木造では構造が異なるため、木造建築の経験のある設計者を選定することはもちろん、地域の木材関係者等とも連携できることが望ましいです。 設計にあたっては、規模、防火地域、用途等の関係法令による制限を確認することが必要です。 また、木材の特徴も踏まえることが必要です。 設計にあたっては、強度等の性能がわかっているJAS材であれば、構造計算が有利になります。
設計時のチェックリスト
- 設計者は木造建築に関する知識や経験を持っているか。
- 関係法令による制限をクリアできる設計となっているか。
- 木材から水分を遠ざけ、腐朽・シロアリが生息しにくい環境となっているか。
- JAS材を使用しているか。
3.施工について
木材調達期間(伐採、製材、乾燥等)も考慮した施工計画・監理による実施することが必要です。
施工時のチェックリスト
- 必要な木材が調達可能な施工計画となっているか。
- 性能の担保された木材(JAS材)を使用しているか。
4.維持管理について
湿気の溜まりやすい箇所に木材を使用している場合は特に注意し、換気等により調整することを心掛ける必要があります。また、日常的な清掃、定期点検を行い、不具合等を早期発見・補修するように努めることが望ましいです。
維持管理時のチェックリスト
- 日常的な清掃、定期点検を行う計画・体制となっているか。
- 湿気対策がされているか。